ロンドンに来てまだ1か月も経たないころ、日本人の女の子と知り合いました。
彼女はロンドン在住2年ほどで、当時の私にとっては大先輩。
彼女が日本へ帰国する間際に知り合ったのですが、ロンドン初心者の私にいろいろ教えてくれました。
その中であまりに衝撃的で忘れられない話が1つあります。
彼女は
wantの発音は本当に気を付けて!!
と私に言いました。
どういうことなのか、詳しく聞いてみると。
彼女はあるイギリス人の男の子と出会い、何度かデートしていたそうです。
何回目かのデートでは彼が手料理をふるまってくれることに。
彼のおうちに招待され、彼が一生懸命つくってくれたディナーを堪能し、食後カウチでのんびりしていると段々といちゃいちゃムードに。
彼女はそれまでのデートで彼のことをすでに気に入っていたので、そのまま流れでちゅちゅっと…。
カウチでそんなことしてしてたら、そりゃ次のステップはおわかりでしょう。
彼の手が段々と彼女の身体へと伸びる。
そして彼が聞いたそうです。
きみが嫌ならこれ以上はしない。きみはどうしたい?
彼女の心はもう決まっていました。
I want.
恥ずかしいけれど、きっぱり告げた。
それなのに。
彼の手はぴたりと止まってしまった。
あれ?あれ?なんで??
まだ頭がぼーっとしていてよくわからない。
よくわからないうちに帰ってきて、数日してから気が付いた。
彼は「I want.」を「I won’t.」と捉えたんだ、と…!!
彼女の話は、少しの発音の違いが大きな誤解を生むこともあるから、発音にはくれぐれも注意しろ、ということだった。
だけど
I want(ラブラブ)
と
I won’t(何言ってやがるんだ)
では雰囲気からわかる気がするのに…。
それ以降、彼とは気まずくなってしまい、結局は音信不通になってしまったとの話を聞いて当時の私は恐れおののいた。
こりゃ大変だ。
そんなことでお気に入りのイケメン英国男子を逃すなんて。
イギリス人にwant とwon’tの発音をしてみてもらったが、won’tの方が若干「ウォゥント」と小さいウが入るか?くらいの違いで全然わからない。
聞き分けるのは諦めて、とりあえずwon’tは使わずwill notを常に使うようになった。
あれから何年も経って、ロンドナーに片足を突っ込んでいる今はこう思う。
「I want it.」とか「I want to do it.」と目的語を補ってやれば良かったんじゃないか?と。
特に2つ目の「I want to do it.」は「I wanna do it.」とも言えるわけで、「I won’t do it.」とは確実に異なる。
ネタばれを防ぐため、この記事のタイトルは「wantの発音」としたが、実はこの記事で言いたいのは目的語・目的格をしっかり言おう、ということです。
YES、NOの答え方でも同じことが言えるのだが(いずれこれも記事にしたいとは思う)短く省略して言うことで勘違いを生みやすい。
特にロンドンは英語ネイティブの人ばかりでなく、外国人も多い。
あなたが完璧な発音で「I want.」と言ったとしても相手が勘違いしてしまう可能性も大いにある。
だから悲しい勘違いを防ぐためにも、文章は省略せず、しっかりと目的語まで伝えることを意識しましょう。
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