先日、ディズニー+のドラマ、SHOGUNが最終回を迎えました。
正直に言いますと、物語の半分ほどで私は観る気が失せてしまいました。(でもレビューを書くからにはちゃんと最終話まで観ましたよ!)
でもこのドラマ、ものすごーくポジティブなレビューが多くてガッカリしたという意見があまり見られないので、レビューを書くことにしました。
もう少し辛口なレビューがあったら時間を無駄にしなかったかもなー、なんて思ったりして。
以下、ネタバレおよびこのドラマがお好きな方は不愉快になるかもしれないのでどうぞご注意を。
SHOGUNを観よう!と言い出したのは相方でした。
とっても評判がいいから観よう!観よう!と。
私も少し調べてみたところ、主演の真田広之さんはラストサムライの時に感じた後悔 – 日本人から観ると不自然な所作やセリフ – を正すこと、日本の文化を正しく伝えることを条件にこの役を引き受けたとありました。
なんだか期待できそう。
…でもこれがまず最初のガッカリでした。
最初の1,2話に関してはPresident onlineのこちらの記事がとっても共感できました。
海で溺れ死にかけた侍が刀を抜いて切腹しようとする…ありえなさすぎて理解するのに時間が掛かった!
異国人だからといって乱暴な扱いをするのも違和感、庭で着物を引き摺って歩いているのにも違和感、五大老(真田広之や平岳大)と話すときの田舎大名(浅野忠信)や茶屋の女主人の礼儀にも違和感…あげればきりがないほど違和感は多かったです。
真田さんが「正しい日本文化にこだわった」という記事を読んでいなければガッカリすることもなかったけれど、それを期待してしまったからこそ残念な箇所がたくさんありました。
また物語が進むにつれ新たな違和感が。
SHOGUNというからには真田広之さんが主人公だとばかり思っていたのですが、この物語の主人公は澤井杏奈さん演じる鞠子だったのです。
あぁー…。
まさにディズニー。
スターウォーズの7作目もディズニー制作で、ポリコレをふんだんに盛り込んでそれまでのスターウォーズを台無しにしてくれました。
最近ではリトル・マーメイドの主人公、アリエル役を黒人にしたことで(これまたポリコレ)論争を巻き起こしました。
原作や1980年制作のドラマは未見なのですが、今回の鞠子はなかなかにビッチ。
鞠子の夫が死んで数日後に自ら異国人・按針の部屋に忍び込み一夜を共にします。
おそらく「強い女性」「奪われるのではなく、自ら選択した行動」を表したかったんでしょうね…あーポリコレというかフェミニズムというか。
でもどんなに愛していなかった夫とはいえ、数日後ってひどくない?!
ドラマではいかにも暴君というような描かれ方をしている鞠子の夫ですが、物語が進むにつれ逆に同情してしまうくらい、夫もかわいそうでした。
そして鞠子はいくら謀反人の一族とはいえ、ある程度「高貴なお方」であるはず。
更にそんな鞠子はカトリック信者。
そんなお方がいとも簡単に異国人と一夜を共に…しかも自分から。
それまでに、二人の心の交流だとか結婚していることへの葛藤なんかが丁寧に描かれていればまた違ったと思うのですが、出会ってまもなく・やけに簡単に「しちゃった♡てへぺろ♡」みたいな感じ。
当時の日本でもカトリック信者でも重視されてただろう貞操観念なんてどこ吹く風。
で、本当にほんとーにごめんなさいね、鞠子役の澤井杏奈さんがイメージ違いすぎ…涙
どこかのレビューで「唇のめくれあがった鞠子」というのを目にしてしまってからは、どうにもそのお顔立ちに目が行くばかり…。
元々はAvex所属のダンサーさんということで、レゲエダンスがめっちゃ似合いそうなお顔立ち。
澤井杏奈さんの鞠子は外見からして「いかにも」強そう過ぎるんですよね。
藤役の穂志もえかさんの方がずっと”典型的日本人女性”っぽいと思っていたら、SNSでも藤は人気でした。
またポリコレでいえば、東軍・虎永の側には鞠子、西軍・石堂の側には落ち葉の方がそれぞれ背後にいて、男性ではなく実は女性が糸を引いている、というような演出も目につきました。
私も女性だけれど、こういった押しつけがましいフェミニズムは見ていて不快。
特に日本なんていまだに性差の激しい国。
現代の女性として強い人物像を描くのはアリとしても、歴史観をひん曲げてまで強い女性像を作り出すのはどうにも押しつけに感じてしまう。
ちなみに外国人の私の相方にとっては、鞠子と落ち葉の方(二階堂ふみさん)が似ていて区別がつかなかったそうです…。
そしてSHOGUN、真田広之さんの役柄である虎永の人物像にも疑問が。
全然魅力的じゃないんです。
実はSHOGUNを観る前から、真田さんって将軍(徳川家康)のイメージじゃなくて”デキる二番手(参謀)”なんだよなぁとは思っていました。
観てみると…うーーーん、真面目!まじめ!!マジメ!!!
真田さんは物語全編通してほぼ真顔です。
家康ってもう少しほがらかなイメージなんだけどなぁ…違います?
ただあくまで家康はモデルであってこの物語自体はフィクション。
なので家康のほがらかイメージでなくてもいいのはいいんですが。
で、このSHOGUN虎永、自分の出世のために人を殺しすぎ。
按針に親切にしていた庭師・植次郎をスパイ容疑の被疑者とするために殺したり。(これに虎永は直接かかわってないかもしれないけど!)
敵を欺くため、長年仕えてきた一番の部下・広松を殺したり。
果ては按針の忠誠心を試すため、罪もない一般市民を虐殺したり。
自身の立身出世のために罪のないものを殺すことも厭わない…SHOGUN、主人公のはずなのに魅力なさすぎ!!
これが将軍だなんて、あんまりひどすぎる。
こんな人物にどうして多くの人がついていこうと思うでしょうか。
私としては、原作も脚本も外国人だから「日本人のこと、なめてない?」と思ってしまう。
鞠子やSHOGUNに触れたのであれば、按針についても触れるべきか…?
第一話の時点でうちの相方は
「うわ!きも!こいつ(按針)、青いコンタクトレンズ入れてるじゃん」
と言ってました。
ちなみにうちの相方、アジアの女の子たちのカラコンなんかも拒絶反応を示します。
私は
「えー?青い目の俳優なんて腐るほどいるんだから、カラコンいれなきゃいけないような人なら採用しなかったんじゃないのー?」
と言いつつ画像検索。
あらま!
相方の言った通り、按針役のコスモ・ジャービスは青い目じゃありませんでした。
私的には按針がもともと青い目だろうとなかろうとあまり気にはならなかったのですが、ある日突然複雑な日本語を話しはじめるけれど、都合のいい所(悪い所?)では理解できない、みたいなのが違和感でした。
あとはこの役者さん、悲しみや苦しみの表現があまり上手ではないなぁと感じました。
鞠子がなぎなたをふるって大立ち回りしているときも、ただホケーッと見てるだけにみえてビックリ。(うちの相方もこのシーンで同じことを思ったそう。)
鞠子にただならぬ思いを持ってるなら、もう少し焦りや心配の表情があっただろうに。
結局はやけに出てくる「ハラキリ」、外国人をゴミのように扱う日本人、ポリコレというかフェミニズムというか最近のアメリカ的風潮により現代化された女性たち、人間らしさのない「将軍」、爆破されて亡くなる鞠子(でも身体はまったく破損ナシw)…やっぱり「西洋から見た日本」感は否めなかった。
まぁ原作がイギリス人の小説だから仕方ないのか。
物語後半はどうにも観る気も失せていたし、時にはあまりに馬鹿げていて笑ってしまうシーンさえありました。
でもこれが日本だと外国人が誤解することもさながら、日本人のレビューで「これぞ日本!」「大河より日本的!」と称賛レビューが多いことがちょっと怖い。
辛口レビューを書きましたが、確かに予算が桁違いなだけあって映像としては素晴らしかったです。
コメント
私もこのレビューとPresident Online の講評に強く賛同します。
一応Netの評判をみて期待して視聴し始めましたが、第1話ですぐに不快感を覚え、とても続きを見る気にはなれませんでした。(続きは、あらすじを軽く読んだのみです。)
どうして、Filmarksなどでは、そんなに高評価なのか全く理解できません。
Citrus Junos様
コメントありがとうございます!
こういった辛口レビューというのはご時世に合わないというか、他人を不快にするものなのかも?と思って公開するのは実は怖かったんです。
Filmarksでは何ページ読んでもほぼ絶賛のレビューばかり。
「あら?私の感覚がおかしいのかしら…?」なんて思ったりもしましたが、賛同してくれる方がいて非常に嬉しいです!!
なんでこんなに高評価なんでしょうね…???