昨日、3週間ほど前から行方不明だった小学5年生の男児の遺体が発見された。
この事件は最初から不可解な点が多く、連日ニュースでその子の名前を見ていたので、私も結構ショックを受けた。
ただニュースでは一切触れられていなかったのだが、ニュースのコメント欄でその男児の母親がつい数か月前に再婚したばかりだったことを知った。(裏取りはゴシップ雑誌の記事で。)
その男児は行方不明になったとされる日、継父に学校まで送ってもらった後で消息を絶った。
今、この記事を書いている時点で事件性があるのかないのかさえ特定されていないが、ネット上では継父を疑う声が多く上がっている。
それと同時に、再婚した母親を責めるコメントも多く見受けられた。
「母親である前に女、ってタイプ」
「離婚して子供を引き取ったなら、母親に徹しろよ」
「女児を連れての再婚は性被害が怖いし男児は殺される可能性があるから、再婚なんてするべきじゃないよね」
「邪魔になったならせめて養護施設に預ければよかったのに」
「うちの母親は一切男なんて連れてこなかったから、そこには感謝してる」
重ねて言うが、現状では事件性の有無すら明確になっておらず、同時に男児の両親についても警察や報道からの情報は一切ない。
それなのにこんな書き方、ひどくないですか?
その子の母親がどんな人間かすら知らないというのに、数か月前に再婚したという情報だけでそんな風に言ってしまうのって怖くないですか?
真偽は定かではないが再婚相手がかなり年下の24歳であるとか、母親は東京で美容師をしていて20歳ころに男児を出産しすぐに離婚、とかいう情報も確かにゴシップ雑誌には書かれてはいた。
それを加味したとしても、その少ない情報でまるで子供を愛していなかった、その男児よりも男を選んだというような言われ方は断罪だと思う。
状況からすると、最後の目撃者である継父を疑わしく思っている人が多いようだ。
だけどこの事件はあまりにおかしな点が多く、警察も必要最低限の情報しか公開していない。
今ここで変な推測は書くつもりはなく、話したいのはその母親に対する辛辣なコメントに違和感を感じたことについてにしておきたい。
男児の母親に対する辛辣なコメントには多くの「いいね」が付いていた。
だけどこれがもしイギリスだったら?と考えると、
「母親に徹しろ」
なんてコメントに「いいね」が付くとは思えなかった。
なんだろう?
もしイギリスだったら、人々の反応はどうなるんだろう?
考えてみた。
きっとイギリスでは
「母親に徹する」
「母親である前に女」
ではなく、
「母親でもあり、女でもあり、一人の人間」
といずれも同列で考えられるんじゃないかと思うとしっくり来る。
母親に対する辛辣なコメントに多くの「いいね」が付くと言うことは、日本では
「すべてを捨てて”母親だけ”でなければならない」
という風潮であるように見える。
それがひずみを生んでいるように見える。
それが息のできない社会を作り出しているように見える。
どうして母親は”母親だけ”でなければならないのか?
どうして母親はいつも子供のために自分の人生を犠牲にしなければならないのか?
…こんな書き方をすると誤解されるかもしれないが、何も子供を捨てて自分の人生を楽しめ、と言っているわけではない。
子供は大事。
これは大前提。
だけど自分の人生も大事。
日本の母親にはこれが欠けてることが多いように思う。
なーんか日本って
「すべてを子供に捧げる母親」
が称賛されがちじゃないですか?
一見、美談に見えるけど、そんなのおかしくない?
どうして母親が自分の人生を楽しんじゃいけないの?
子供以外の自分の人生って言ったって、何も恋愛ばかりじゃない。
子供がいてもキャリアを磨いて仕事に打ち込んだっていいし、子供がいても趣味に没頭する時間を作ってもいいんじゃないか、ってこと。
日本で”シンママ”と聞いても、なぜかバリキャリ女性の姿は浮かばない。
相当な高給取りでベビーシッターを雇えるか、家族の手厚いサポートがない限り、無理だもんね…。
”シンママ”は昼夜問わず仕事して、家事もして、すべてワンオペ…
だから趣味に費やす時間なんてあるわけがないか。
…なんかこうやって書いていると、結局は日本の男女の賃金格差にも行きついちゃうよなー。
男性と同じ仕事内容をこなしていたとしても、女性というだけで給料半分。
こんなのがまかり通ってる先進国(も最近危うくなってきた)、日本。
そりゃシンママは大変だよなぁ。
それこそ日本には生活保護を受けているシンママを叩く風潮もあったりするけど、どこまでいじめるんだよ、って思っちゃう。
子供は国の宝だよ。
その人がどういう経緯でシンママになったとかはどうでもいいのよ。
これからの国を支えてくれる子供を育てる、ってとこが大事なのよ!!
子供がどんどん減る一方で、年金なんてどうなるかわかんないし。
今、移民を嫌だ嫌だ言ってる人が多いけど、それだって子供がたくさんいれば移民に頼らなくたっていいんだからね!!
イギリスのシンママなんて政府の手厚~~い保障を受けて、私よりもずーーっと良い暮らしをしてるよ!!
だけどできちゃった結婚を揶揄したり、シンママを見下したり…全員ではないけれど、そういう人もいる日本の社会的風潮も出生率の低下と関係あると思うんだけどなー。
偉い人たち、既婚・シングル関係なく、子育てがもっとしやすい社会を作ってくれよ!!
そしてワンオペだろうと趣味や仕事にも時間が費やせるような、そんな暮らしをさせてくれよ!!
シンママではないけれど、旦那さんと二人の子供がいる母親で、とてもお酒の好きな友達がいた。
お酒好きなので仕事帰りにパブに寄る。
なんだったら時にはそのままクラブにもなだれ込む。
そして年に2回は旦那さんが子供を連れて母国へ帰省するのだが、なぜか友達は一人ロンドンに残る。
ビザの関係?と思ったりもしたが、彼女はいつも
「だって行きたくないから~~」
と言い、子供たちがいないのを良いことに毎日パーティ三昧。
日本人的感覚でいうとちょっと驚いてしまうが、彼女はちゃんと子供たちを愛している。
彼女の子供たちはちょっとわんぱくだけど、学校での成績も良く、きちんとしつけられた子たちである。
お酒好きではあるが敬虔なクリスチャンでもある彼女は、教会や地域のイベントなどにも積極的に参加する。
それに加えてフルタイムで働いてもいる。
旦那さんもいるとはいえ、どこにそんな時間が?
だけどそれが彼女の生き方だった。
「子供はいつか去っていくもの。
子供だけが生きがい!という母親もいるけれど、私はそんなの嫌。
そんな生き方をしていたら、子供がいなくなった後に何が残るの?」
彼女はまさしく母親であり、妻であり、一人の人間として人生を楽しんでいる体現者だった。
イギリスやヨーロッパでは、もう少し個人の人生が尊重されているように思う。
「子供が全て」
と大人が子供に何もかも捧げるのではなく、
「親にも親の人生があるんだ」
と子供たちも子供たちで、大人の人生を尊重しているように感じる。
「My dad’s girlfriend(お父さんの彼女)」
とか
「My mum’s boyfriend(お母さんの彼氏)」
という言葉はそこそこ日常的に耳にする。
日本だったら
「子供に我慢させてるんじゃないの…かわいそう!!」
となりそうだけど、イギリスではもう少し親子関係がドライなのかもしれない。
なにせ生後6か月くらいから子供とは一緒に寝ないのが一般的らしいし、お風呂だって幼いころから異性の親とは一緒に入らない。
なにせヨーロッパのお風呂って、日本のお風呂と違って浴槽の中で全部済ますスタイルだから、親子で一緒にお風呂に入るなんてまずできない。
だから”自分は自分、親は親”という感覚が日本より強いのかもしれない。
シングルマザー・シングルファーザーは恋人を持っても良いのか?持たざるべきなのか?
英語圏の人々はどう思っているのか、ネットで調べてみたところ「問題ない」という回答が多かった。
しかし前提として、以下のようなことが挙げられていた。
・家でイチャイチャしない。
・子供が(相手を)嫌だと言うなら、その意見を尊重する。
・自分の子供から信頼を得ようと努力しないような相手は、恋人候補から除外する。
・恋人と会っている間は、子供を信頼できる人やベビーシッターに預ける。
これは子供が第一ではありつつ、自分の人生(恋愛)も両立させているように見える。
ニュース欄にあった、母親に対する辛辣なコメントのように”子供を捨てて男に走る母親”像ではない。
さすがにイギリスでも、子供を放っておいて恋人とデートばかりしている母親に人々は良い顔をしない。
だけど日本のように、”母親に人生はなし”という風潮はあまりにも酷じゃなかろうか。
もちろん好きで子供に人生を捧げている母親もいるだろう。
でもそれは自分の人生から逃げているとも言えるのかもしれない。
子供を理由に自分の人生について考えようとしない、という。
シンママに対する辛辣なコメントに多くの「いいね」が付いている現時点では、私のこんな意見に違和感を覚える日本人の方が多いのかもしれない。
でもシンママだけじゃなく、日本のお母さんは頑張りすぎな人が多い気がするよ~~~。
もう少し、日本のお母さんたちが息の出来る社会に。
もう少し、人を断罪しない社会に。
最後になったけれど、どうかこの事件の真相が間もなく判りますように。
見つかった男の子のご冥福を、心からお祈りいたします。

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