大麻と麻薬・覚せい剤(ドラッグ)②

希海のぼやき雑記

前回、①では大麻について書きましたが、麻薬・覚せい剤となるとこれまた話が変わります。

※大麻・麻薬とややこしいですね…。わかりやすくするため、コカインやヘロインなどの「麻薬」は以下「ドラッグ」と表記します。

大麻常習者に関しては嫌な思いをした経験がありますが、ドラッグ常習者と関わった時は嫌な思いどころではない、地獄でした。

 
 
 

お友達の誕生日パーティで、彼女の元同僚というジョニー(仮名)に出会いました。

ジョニーは20代の男性でしたが、背が小さくてやせっぽちで、まるで子供のようでした。

それでも彼はお洒落でアーティストっぽい雰囲気を漂わせていて、それはちょっとゲイっぽい雰囲気にも見えました。

ジョニーと世間話をしていると、彼は私に英語を教えてほしいと言い始めました。

「君って面白い人だからさ。ネイティブスピーカーだからってつまらない人と話してると飽きちゃうんだ。僕、君から習いたいんだよ。授業料も払うから!!」

誰が好き好んで日本人から英語を習うでしょう?

もし彼が普通のストレートの男性だったら、きっと断っていたと思います。

しかしジョニーの口調や雰囲気から、その場にいた誰かが主催者の友達にこっそり

「ジョニーってゲイ?」

と尋ねていて、主催者がジョニーはゲイだと言っているのを私は聞いていました。

ゲイっぽいな、と既に感じていたので驚きはありませんでした。

でもそれが問題でした。

私、女性やゲイの男性に弱いんです。。。

女性やゲイの男性にお願い事をされるとなかなか断れません。

それでも私もしつこくイギリス人から習うべきだと伝えましたが、ジョニーも全く引かず。

結局、彼のお願いを聞くことになり、週に1回、カフェで英語のレッスンをすることになりました。

ジョニーはあまり頭の回転がよろしくなく、何度も同じ文法を説明することも多々ありました。

 
 
 
授業も何度目かのある日、ジョニーから涙の告白を受けました。

「僕はとっても悪いことをしているんだ…。し、親友が…今日それで死んじゃった…」

「助けて…助け…て……やめられると思ってたんだ、だけどどうしようもないんだ…!!」

ただならぬ雰囲気。

聞くと彼はヘロイン中毒者でした。

20歳くらいの頃にも1年くらいヘロインを使っていたけど、その時は自分の意思でやめられた。
だからまた始めても、いつでもやめられると思ってたんだ。
それなのにやめられないんだ、お金はないのに、やらないと悪夢がひどくて体中を虫が這っているような感覚がして…やらずにはいられないんだ。

しかし「親友が死んじゃった」とは!?

ジョニーは授業でしょっちゅうその親友の話をしていました。

母国に住んでいるその親友とはいつも電話で話していて、同じ年なのにお兄さんのような存在だと。

その日の朝、親友と同棲していた彼女が、居間のソファで寝たまま動かない親友を見つけた、とのことでした。

薬物の過剰摂取(オーバードーズ)が原因だったらしいです。

 
 
 

でも書きましたが、ヘロインは大麻常用者でも「とんでもない!」と震え上がるドラッグです。

ジョニーの言動からわからなかったの?と思うかもしれませんが、ピエール瀧さんや酒井法子さん、沢尻エリカさんなど、カメラを通じてではありますがとても薬物中毒には見えませんでしたよね。

週に1回、1時間程度会う間柄ではわかりませんでした。

血走った目でよだれを垂らしている人だったら、最初から英語の授業なんてしませんでした。

感情の起伏がやや激しく言葉遣いもなかなか激しいものの、彼に英語を教えている立場だったからか、私に対してはリスペクトを持って接してくれていたように思います。

そしてちょっとエキセントリックなところも、アート色の強い人の個性のように見えていました。

 
 
 

涙ながらに助けを求められた当時の私は、ドラッグ常習者と関わる危険性を考えるよりも正義感の方が勝ってしまいました。

時には家族や恋人だって支えきれない、ドラッグとの闘い。

中途半端な正義感で深入りするのは絶対にやめた方がいいと、今は思います。

しかしその時は、私を信じて打ち明けてくれた、子供みたいなジョニーを見捨てることはできませんでした。

私はジョニーの告白の後、いろいろと自分なりに調べて、彼をリハビリ施設に連れて行きました。

 
 
 

そのリハビリ施設はイギリス政府が母体のNHS(国民健康サービス)によって運営されており、治療が無料で受けられる施設でした。

日本で薬物依存からのリハビリ施設というと、ダルクが有名です。

この記事を書くにあたり、日本のリハビリ施設を調べてみましたが、ダルク以外に目ぼしいものは見つかりませんでした。

もし信頼できる施設をご存じの方はどうかコメントをお願いします。

薬物依存者自体の数がイギリスと日本では異なるかもしれませんが、ロンドンのリハビリ施設を検索すると公営・私営ともにたくさん見つかります。

日本はダルクだけで大丈夫なのか、心配です。

 
 
 
ダルクはNPO(非営利団体)によって運営されていて、良心的なお値段ではあるものの、無料で利用できるわけではありません。

海外で暮らしてみて、日本では「自己責任」という意識が強いことを実感しています。

人に迷惑を掛けてはいけない、自分の問題は自己責任。

人に迷惑を掛けない、その代わりに。誰かの問題はその人の責任。

でも薬物依存者がいるということは、物騒な事件が起こるかもしれない
⇒地域の問題になりうるし、薬物購入のお金は反社会勢力へ回る
⇒引いては国の問題にも繋がると言えます。

「ドラッグなんて、手を出したその人が悪いんでしょ」

と放っておいては、いつまでたっても反社会勢力はなくなりません。

安心して暮らせる環境を求めるなら、国が主導して薬物依存者を救済するような施設を作るべきかもしません。

 
 
 
また長くなってしまいました。

続きはにて。。。

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